ジャズ的ライフスタイル
ジャズとの出会いは高校1年に遡ります。
冬休みに、鉄道弘済会の売店で売る雑誌や週刊誌の梱包をするアルバイトをしていました。
コートも同様でストーリーにあったマフラーと手袋をコーディネイトすることになるわけです。
そのバイト先にいた当時大学生の先輩が「おれは物書きなんだ。バイトをしながら毎日小説を書いてるんだ」といいながら、分厚い大形の手帳を出して、「何か気が付いたことをこの手帳に書き留めておいて、ジャズを聴きながらながめていると、次に書くことが浮かんでくるんだよ」と見せてくれました。
自分はそれまでポップス一辺倒でジャズというものを聴いたことがありませんでした。
それじゃあ聞かせてやろうということになり、渋谷の道玄坂の途中を右に入ったところにある、細長い喫茶店に連れていってくれました。初めてのジャズ喫茶です。
コーヒーを二つ頼み、先輩は砂糖もミルクも入れずに「コーヒーはこうやってブラックで飲まないと、本当の味は分からないんだぜ」と、長めの髪をかき上げながら、いかにもおいしそうに味わっていました。
先輩はオフホワイトのフィッシャーマンのタートルネックに細めのホワイトジーンズをはいて、バックスキンの紐のブーツを組んだ足でリズムをとって、曲に合わせて揺らしていました。
ドラムとベースの気怠いようなリズムに絡みつくように、アルトサックスとピアノが心に浸みるようなメロディを奏でる曲に酔わされて、それがデイブ・ブルーベックの『テイクファイブ』と教わり、なんてジャズって大人でかっこいいんだとIVY少年は感動をしたものです。
カントリー的ライフスタイル
自分たち団塊の世代は、VANにファッションとライフスタイルを教わり、忠実に実践してきました。特に自分はいまだに石津謙介氏やくろすとしゆき氏の本を手離せません。
VANからジーンズはWRANGLERだと、それも投げ縄ロゴのロープラングラ―だと教わりました。
ロープラングラー→ロデオ→カウボーイとなり、アメリカン・カウボーイという雑誌を約20年間定期購読しました。
記事はカントリー・ライフスタイルを採り上げたもので、ファッション、カントリー家具、ケイジャン料理、カントリー・ミュージック、シルバースミス・ジュエリー、ロデオ、牧場ライフ、馬の世話の仕方など、まさにカントリー・ライフスタイル満載です。
巻末に数ページの通販情報があり、随分お世話になりました。
シティ・スリッカーズの映画を見ても、ニューヨークから行った都会人はいかにもダサく、老カウボーイのジャック・パランスのスタイリッシュなことに驚くばかりです。
カントリー・ライフスタイルはIVY少年にとって、スタイリッシュなライフスタイルという感動を教えてくれました。
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