最もアメリカンな香りは?
汗の季節が過ぎてさわやかなお洒落の季節になりました。
汗臭さを抑えるために少し多めに付けていたコロンも、本来の香りを楽しめるようになりました。
アイビーボーイを自称する者にとってどんな香りのコロンを付けるかは重大な問題です。トラッドアイテムを身に着けて、アルマーニやディオールの香りをさせるわけにはいきませんから。
自分はアイビールックは明るく楽しいファッションだと思っているので、特にサドルシューズは欠かせないマストのアイテムなのです。
同好の友達たちとの、何が一番アメリカンな香りだろうかという議論に、真剣に考えさせられたものです。オールドスパイスかアラミスかと意見が分かれ、未だに結論は出ていないのですが、高校時代に初めてVANを着てから今もずっと変わらず身近にある香りはオールドスパイスです。
それ以来、オールドスパイスはずっと自分の香りの定番です。あの白い陶器ボトルは今は象牙色のプラスティックになりましたが、栓のキャップはかわりません。手のひらに受けて体や首筋にパンパンとたたく、オールドスパイスは付けるのではなくたたくのです。
自分は大学時代に奮発してオールドスパイスの白い陶器ボトルのコロンを買いました。うれしくて早速つけて行ったところ、何人かの女の子が、「あら先輩の香りだ」と言ったのです。おそらくオールドスパイスはあこがれの素敵な先輩を連想させるのかもしれません。
オールドスパイスVS.アラミスJHL
オールドスパイスの赤い箱の裏側には、かなり大きな文字でこう書いてあります。「もし君のおじいちゃんがこれを身に着けていなかったら、君はこの世に存在していなかったんだよ」。
いやあ参りました、こんなキャッチフレーズがあるんですね。香りの成分も、イメージも、効用も一切語らずに男心を虜にしてしまいました。
それなら自分で調べてやろうといろいろ探しました。オールドスパイスの香りは、ナツメグ、スターアニス、シナモン、シダー、バニラ、トンカビーンのスパイスと、アンバーグリス、ベンゾイン、アルデヒド、ムスクの香料との組み合わせだそうです。
その他にレモン、オレンジ、カーネーション、ジャスミン、ゼラニウム、ヘリオトロープ、シダーの香りがプラスされているとか。
日本人が大好きな柑橘系ではなく、甘く濃厚でしかもさわやかなハーブ系の香りが1938年以来受け継がれているのです。
アメリカの香りのもう一方の雄アラミスも好きです。ベルガモットをトップノートにした大人の香りがここ一番の時に効果的に気分に作用してくれます。毎日の日常使いにオールドスパイス、特別な時にアラミスを楽しんでいます。
日本では発売していないのですが、アラミス生みの親、ミセスエスティ・ローダーが1981年に最愛の夫、ジョセフH.ローダーのためにカスタムブレンドした、アラミスJHLはスパイスと香料をブレンドした洗練されたエレガンスの香りとしてアメリカの紳士たちに大人気です。
私見ですが、これが何とオールドスパイスの香りによく似ているのです。自分はさすがアメリカの香りとうれしくなりました。
オールドスパイス、アラミスともうひとつ帽子のステットソンをブランド化したカントリー調のカウボーイコロンも愛用しています。晴れた日の干し草の匂いがしてジーンズにぴったりのコロンです。
ブレザーやジャケットにはオールドスパイス、スーツにはアラミス、ジーンズやカジュアルにはステットソン。香りのオーセンティック・トラッドです。
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