何で時間をしりますか。
腕時計ですか、懐中時計ですか。最近はスマホや携帯を見る人が多いようですが、街中では至る所に時間が表示されていて時計は無くても不自由はしなくなりました。
自分は、時計はメンズファッションの必須の小道具だと思っています。普段は黒系と茶系の革バンドとメタルの腕時計を、服のコーディネイトに合わせて選んでいます。特に懐中時計は、今日はちょっとカッコつけてみようという気分の時にはかかせない道具です。
はじめてGパンをはいたとき、右前のポケットにあった小さな飾りのようなポケットに興味を持って調べたら、これはウォッチポケットといって、その昔懐中時計を入れていたのだとわかりました。
最古のジーンズであるリーバイスのビンテージを見てみると、といってもこれはおそらく1920年頃の復刻版だと思いますが、後ろのポケットが2つになり外リベット、ドーナツボタン、1本針ステッチ、前4つ後ろ2つのサスペンダーボタンと一緒にウォッチポケットがちゃんとあります。
これに懐中時計を入れる楽しさ。腕時計やスマホでは到底味わえません。提げ紐はチェーンでなく紺の和紐がよく映えます。服によって提げ紐やチェーンを変えてコーディネイトするのも懐中時計の楽しみです。
メンズのパンツは右前のベルト下や右ポケットの中にもウオッチポケットが付けられていますから、ここにぜひ懐中時計を入れてみてはいかがでしょうか。三つ揃いのベストにも懐中時計はよく似合います。
リンカーン大統領の時計
懐中時計といえば米国のウォルサムということになります。当時世界で最も正確な時計はスイスではなく米国のウォルサムだったので、世界中の鉄道会社がウォルサムを公式時計にしました。
日本でも鉄道省~国鉄の公式時計はウォルサムでした。列車の運転席の正面の小さなくぼみは運転手が懐中時計を入れるためのもので、ウォルサムの大きさに統一されています。
JRになってセイコーの技術が認められ公式時計になりましたが、初期のころはウォルサムのケースにいれていたそうです。
1865年4月14日、リンカーン大統領は観劇中に暗殺されました。このとき着用していたブルックス・ブラザースのベストには愛用のウォルサムが入っていていつまでも時を刻んでいたそうです。
日本でのウォルサムの愛用者はなんといってもノーベル賞作家の川端康成でしょう。ウォルサムの上位ブランド、リバーサイドを自分の名前と同じだとおおいに気に入っていたとか。幕末の将軍徳川家茂、や西郷隆盛もウォルサムを愛用していたと記録に残っています。
自分の懐中時計もウォルサム、リバーサイドです。手巻きですが現役で活躍しています。1日に1分と狂わず正確に動いています。机の上のスタンドに提げて眺めていると、歴史のなかにさまざまな想いがめぐります。
これも懐中時計の楽しみでしょうか。
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