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万年筆があるライフスタイル。

ノーフォークジャケット

大人になったら万年筆を持つものですか。

 万年筆を特集したムック本のQ&Aです。答えは「相手に美しい気持ちを伝えたいなら持つべきです」でした。本当に気持ちを伝えたいと思ったら、スマホやパソコンのメールでは無理があるということかもしれません。気持ちを伝えたいもののひとつにラブレターがありますが、これこそ手書きで、しかも万年筆で書くべきものだと思います。

筆者の好きなカントリーの名曲「古い手紙」は、ずっと仕舞ってあった手紙をふと見つけて開いたら、青く滲んだインクに昔の思い出がまざまざと甦って、何故別れてしまったのかと悔やみきれないと歌っています。想像するに、この手紙は万年筆で書いたものでしょうし、ラブレターのインクは青ということになります。

万年筆は近代の筆記具のなかでペン先に弾力があり、強弱がついて文字に表情が付けやすい特徴があります。

英語でファウンテンペンというように、ペン先と紙の接点からインクが泉のように溢れてくるので、書くのに力を入れる必要がありません。

パソコンの使いすぎで右手が腱鞘炎になって痛くて手も上げられなくなった友人が、治療にいったドクターのすすめで、万年筆で文字を書くようにしたところ、痛みを感じずに書けてそのうち腱鞘炎もよくなったということです。

オーセンティックなこだわり。

 万年筆の効用は書く文字にも現れます。どういうことかというと、文字を楷書で書くようになります。習字が上手かどうかは関係なく見る人の心に響くような味のある字が書けるようになるのです。しかも楷書で書くとインクの濃淡が表現しやすく自分でもうっとりするぐらいいい文字になります。

いわばオーセンティックなこだわりを持つ人の道具だと思います。パーティが多くなる秋冬に、受付の芳名録の前でツィードのジャケットからスッと取り出し、キャップをクルクルと回してはずして、自分の名前を楷書で書く快感はなんともいえません。

その万年筆は、モンブランの149が理想です。1924年に登場しマイスターシュテュック(名作)と銘々されたこの傑作は、90周年を迎えた今もThe King of Penとして世界の愛好家を魅了しています。

けっして筆記具としてのボールペンやサインペンを否定するつもりはありませんが、ツィードのジャケット、フランネルのパンツ、スェードのチャッカーブーツとコーディネイトするにはちょっと役不足のような気がします。

小物や道具までオーセンティックにこだわったライフスタイルこそ、真の男のダンディズムなのではないでしょうか。

 
著:小熊俊行(おぐま・としゆき)
大手広告代理店を経て、(株)マーベリック出版を設立。米国DC COM社と提携し「月刊スーパーマン」創刊。
1980年(株)バス・コーポレーションを設立、現在に至る。
東京ディズニーランド開業、横浜博覧会、関西国際空港開港等のプロジェクトに参画し、好意づくりのコミュニケーションを目指す。
また地域のまちづくりや活性化事業のアドバイザー等、生活者のニーズを満たすまちづくりや担い手づくりなどの支援活動に携わる。
トラッドなアイビーファッションの愛好者であり、2014年より(株)信濃屋の顧問を務める。
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